「愛しき好漢たち」を活写した決定版『水滸伝』の魅力
日本で言えば平安末から鎌倉時代、中国(北宋~元)の盛り場で行われた「語り物」にルーツを持つ『水滸伝』。『三国志演義』『西遊記』『金瓶梅』と並ぶ四大奇書のひとつで、江戸時代には日本にも輸入され、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』など日本の大衆文学には多大な影響を与えている。小説として刊行されたのは明代末、その最古の刊本たる百回本を底本として、中国文学者の井波律子が翻訳した決定版『水滸伝』(全5冊)の刊行が始まった。盛り場で酔客を楽しませた語りのリズムと無類の面白さをぜひ堪能あれ!